「唇」というシンボルを、家具に込めた??
ニカ・ズパンクがキーブーのために描いた、一本の曲線が語るチェア。
キスハグ チェア|XOXO Chairは、スロベニア出身のデザイナー・ニカ・ズパンクが、イタリアのデザインブランド・キーブーのために手がけた椅子です。
欲望、官能、愛らしさ??女性の美意識が凝縮した「唇」をモチーフに、それを一本の優美な曲線へと昇華させた、彫刻的なフォルムが最大の個性です。
革張りと布張り、ラウンドベースと四本脚の計4タイプから構成されており、空間のアクセントとしても、日常の椅子としても機能します。
<目次>
1. キスハグ チェアとはどんな椅子か
2. デザインの背景??「唇」が持つ文化的なシンボリズム
3. 素材と仕様??4つのタイプから自分のスタイルを選ぶ
4. スタイリングと置き場所の提案
1. キスハグ チェアとはどんな椅子か
一本の曲線に込められた、美しさへのまなざし
イタリアのデザインブランド・キーブーから生まれたキスハグ チェアは、「唇」というモチーフを家具へと結晶させた一作です。
デザインを担当したのは、スロベニア出身の気鋭デザイナー・ニカ・ズパンク。
「XOXO」とは英語圏で「キス&ハグ」を意味する親愛の表現ですが、このチェアはその記号が持つ温かさや親密さを、形として空間に届けます。
目を引くのは、シート・バックレストを一体で描く、なめらかな曲線のシルエット。
「唇」を直接模倣するのではなく、その本質的なかたちを抽象的に抽出した、ニカならではのアプローチです。
見る角度によって表情が変わるこの輪郭は、部屋に置いたときに静かな存在感を放ちます。
同じキーブーに「リボン チェア」という作品がありますが、あちらが装飾的な帯状のフォルムを特徴とするのに対し、キスハグ チェアはより抽象的な曲線で感情を宿らせます。
2. デザインの背景??「唇」が持つ文化的なシンボリズム
唇というシンボルは、美術史のなかで繰り返し登場してきたモチーフです。
欲望、官能、愛情??それぞれの時代が「唇」に異なる感情を重ねてきました。
ニカ・ズパンクはその多層的なシンボリズムを出発点に、家具を通じて現代の美意識へと問いかけます。
キスハグ チェアが特異なのは、「唇を描いた椅子」ではなく、「唇の本質を椅子に宿らせた」点にあります。
背もたれの輪郭線はひとつのなめらかな弧を描き、想像力の余白を大きく残します。
見る人の解釈が重なることで、椅子は置かれた空間の中で静かに語りかけてくるのです。
キーブーとニカ・ズパンクが共有するのは、「家具はただの道具ではなく、空間に感情を宿すものであるべき」という考え方。
その哲学がキスハグ チェアには凝縮されています。
3. 素材と仕様??4つのタイプから自分のスタイルを選ぶ
キスハグ チェアは、張り地(革/布)とベース形状(ラウンドベース/四脚)の組み合わせで全4タイプを展開しています。
サイズ(全タイプ共通)
・W62 × D57 × H80 cm
・シート高:45 cm
・重量:約18 kg
張り地の選択
| タイプ | 素材 | 特徴 |
| レザー | エコレザー
| 艶やかで上質な印象。拭き取りやすく手入れが容易
|
| ファブリック | ポリウレタンフォーム+布張り
| 柔らかな質感とカラー展開の豊富さが魅力
|
ベースの選択
| タイプ | ベース | 特徴 |
| ラウンドベース | パウダーコートスチール製円形ベース+スウィベル機能
| 回転させながら座れる。フォームのなめらかさを引き立てる
|
| 四本脚 | パウダーコートスチール製4本脚
| ダイニングテーブルとも合わせやすい、すっきりとした佇まい
|
| ファブリック | ポリウレタンフォーム+布張り
| 柔らかな質感とカラー展開の豊富さが魅力
|
カラーはボールドなビビッドカラーから落ち着いたニュートラルカラーまで幅広く展開しており、空間に合わせたコーディネートが楽しめます。
全アイテムはイタリア製です。
4. スタイリングと置き場所の提案
キスハグ チェアの魅力は、置く空間を選ばない懐の深さにあります。
リビングのアクセントチェアとして
ラウンドベースのレザータイプをソファの横に1脚置くだけで、空間に彫刻的な緊張感が生まれます。
ブラックやスモーキーグレーのカラーなら、モノトーンのインテリアに自然と馴染みます。
寝室・ドレッシングルームに
四本脚タイプのファブリックをベッドサイドや姿見の前に置くと、フランス映画のセットのような雰囲気が生まれます。
ダスティピンクやクリームなど淡いカラーとの相性が特に良好です。
カフェ・ショップなどの商業空間に
カラーを複数組み合わせてダイニングエリアに並べると、インテリアとしての語りかけるような空間が生まれます。
四本脚タイプはダイニングチェアとしても機能的に使いやすい選択肢です。
まとめ
キーブーのキスハグ チェアは、ニカ・ズパンクが「唇」というシンボルの本質を一本の曲線に落とし込んだ、彫刻的なデザインチェアです。
レザーまたはファブリックの張り地と、ラウンドベース(回転式)または四本脚のベースを組み合わせた全4タイプで展開しています。
サイズはW62 × D58 × H78 cm・シート高45 cm。素材はポリウレタンフォーム+パウダーコートスチール製で、イタリア製です。
存在感を放ちながらも空間に溶け込む、そのチェアは部屋に一脚置くだけで、日常の風景をそっと変えてくれます。
デザイナープロフィール
ニカ・ズパンク|Nika Zupanc
スロベニア・リュブリャナ出身のプロダクト・インテリアデザイナー。
2008年に自身のスタジオを設立し、現代文化の解釈と最新の素材・技術を掛け合わせた独自のデザインで国際的な評価を築いています。
彼女の作品の根底にあるのは、フェミニンでガーリーなモチーフへの愛着と、映画のワンシーンのような演劇的な美意識。
唇、リボン、花、柔らかな曲線??こうした女性的なイメージを大胆に家具へと落とし込む姿勢が、ニカ・ズパンクを他のデザイナーと際立たせています。
単に美しいものをつくるのではなく、感情を呼び起こすオブジェクトを目指し続けています。
ミラノのロッサーナ・オルランディ・ギャラリーでの展示や、ポルシェとのコラボレーションなど、アートとデザインの交差点で幅広く活動。
2022年9月には、リッツォーリ出版から作品集『Nika Zupanc: Breaking the Rules』が刊行されました。
キーブーとのコラボレーションでは、キスハグ チェアをはじめ複数のシリーズを手がけており、いずれも彼女らしいロマンティックな世界観が色濃く宿っています。