825,000 円
(税抜:750,000円)

ルーチェ スフェリカを手がけたのは、パリを拠点に活動するデザイナー、ロナン・ブルレックです。フロスとの協働の最新章として、2025年のミラノデザインウィークとユーロルーチェで発表されました。
着想源は、ワイヤーに留まる雨粒や、子どもが吹いたシャボン玉といったささやかな情景だといいます。移ろいやすい一瞬の美しさを、恒久的な照明という形に落とし込む試みです。
ブルレックはこの作品について、技術的な精密さを備えながらも、機械的な印象ではなく詩情とはかなさを感じさせたかったと語っています。工業製品でありながら、手仕事の温度を失わない。そのバランス感覚こそが、彼のデザインの核だといえるでしょう。
なお、アルミニウムの軸にガラスパーツを連ねる構造は、兄弟デザインユニットとして知られるロナン&エルワン・ブルレックが手がけた先行作「ルーチェ オリゾンターレ」(2022年)の系譜に連なるものです。パリのブルス・ド・コメルス(ピノー・コレクション、建築は安藤忠雄氏)向けのビスポーク案件から発展した経緯があり、ルーチェ スフェリカもその探求の延長線上に位置づけられます。
本体は、押出成形によるアルミニウムを研磨仕上げした水平のバー。そこに、職人による手吹きガラスの球体を、伝統的なスペーサーで区切りながら連ねていきます。
均一な工業製品でありながら、ガラス球体のひとつひとつには手作業ならではの表情が宿ります。この「規格化と個性の同居」こそ、ルーチェ スフェリカが持つ最大の差別化要素です。
ルーチェ スフェリカは、球体の連なる数によってS1・S2・S3の3サイズを展開しています。奥行き(バーの太さ)は100ミリ、コード長は2700ミリ、キャノピー直径は509ミリで共通です。空間の広さや天井高に合わせて選べます。
| サイズ | 全長 | 重量 | 消費電力 | 光束 |
|---|---|---|---|---|
| S1 | 165.6cm | 10.35kg | 110W | 5,778lm |
| S2 | 207.2cm | 12.5kg | 145W | 7,223lm |
| S3 | 248.8cm | 14.6kg | 165W | 8,667lm |
S1はダイニングテーブルの上など、一列で完結させたい場所に。S2・S3はリビングの吹き抜けや、複数列を平行に配置する構成にも対応しやすいサイズです。いずれのサイズも複数列を並べて設置でき、空間のスケールに応じて構成を広げられます。
内部には2列のLED光源を搭載し、上方向と下方向それぞれへ光を放ちます。バーの端に備わるタッチ式の調光機能により、上下の光を独立してコントロールできる点が特徴です。
色温度は2700ケルビンの温かみのある光です。ただし調光操作は本体に直接触れる方式のため、吹き抜けなど手の届かない高さに設置する場合は、施工時に照明業者と調光レベルを決めておくか、壁付けの外部スイッチと組み合わせる配線を検討するとよいでしょう。設置環境は屋内の乾燥した空間に限られ、防塵防水等級はIP20です。
LEDモジュールと制御機器は、専門の技術者が交換できる仕様です。買い替えではなく、長く使い続けることを前提に設計されています。

ダイニングテーブルの上にS1を一列で吊るせば、食卓に柔らかな陰影を落とします。天井高のあるリビングでは、S2やS3を複数列平行に配置することで、フロスが「光の風景」と表現するような奥行きのある光の連なりを楽しめるでしょう。
ガラスの透明感を活かすなら、背景の壁は無地に近い落ち着いたトーンがおすすめです。球体越しに光がにじむ様子が、より印象的に映えます。
ホテルのロビーや美術館のような公共空間でも使用が想定されている照明ですが、住宅のエントランスや吹き抜けなど、視線が集まる場所に取り入れることで、住まい全体の格を引き上げる存在になるはずです。
ルーチェ スフェリカは、ロナン・ブルレックが雨粒やシャボン玉という日常の詩情から着想し、フロスの技術力で結晶化させたペンダントライトです。手吹きガラスと精密なアルミニウムという相反する質感を一体化させ、S1・S2・S3という3サイズと上下独立調光というモジュール構造がそれを支えています。住宅からホスピタリティ空間まで幅広く対応できる懐の深さも、フロスらしい仕上がりといえるでしょう。
ロナン・ブルレックは、パリを拠点とするフランス人デザイナーです。素材や質感に対する直感的な感性を持ち、詩情と実用性のバランスを取りながら、削ぎ落とされた造形の中にエネルギーとユーモアを宿す作品で知られています。
弟のエルワン・ブルレックとともに「ブルレック兄弟」としても広く知られ、1997年のパリ・サロン・デュ・ムーブルで発表した「Disintegrated Kitchen」がジュリオ・カッペリーニ氏の目に留まったことをきっかけに、国際的なキャリアを歩み始めました。フロスとは長年にわたり協働を重ねており、ルーチェ スフェリカはその最新の成果にあたります。
