ミニマルな構造、マキシマムな存在感。ゴールドフィンガーの衝撃波。
余計なものを削ぎ落としながら、なぜこれほど圧倒的な存在感を放つのか。
チャネルドゴールドフィンガー ダイニングチェアは、1970年代のモダニズムへのオマージュと、現代的な官能性を一脚に凝縮した、ジョナサン アドラーの代表作です。
<目次>
1. くつろぎの概念を新たな次元へいざなう衝撃的な存在
2. 1970年代と今
3. 数字で見る、このチェア
4. ダイニングにおいて
5. ゴールドフィンガーコレクション
1. くつろぎの概念を新たな次元へいざなう衝撃的な存在
既存のダイニングチェアの文脈では「装飾か、機能か」という問いが先行しがちです。
このチェアはこの問いを無効にし、その両方が存在しています。ジョナサン アドラーはこの椅子に対し「Shockwave(衝撃波)」の言葉を冠しています。
ポリッシュドブラスの直線フレームは装飾を拒みながら、それ自体が光を反射する彫刻として機能します。
クッションは、布地をパッドに沿ってぴったりと仕上げたタイトシート仕様(張り地に余白を作らず、輪郭線をくっきりと出す仕上げ方)。
座ったとき、体とフォームの間に余分な遊びがなく、ほどよい密度で体を受け止めます。
ゆったりと深くというより、姿勢が決まるタイプのダイニングには最適な快適さです。
2. 1970年代と今
1970年代のモダニズムには、一種の誠実さがありました。素材をごまかさない。構造を隠さない。金属は金属として、布は布として機能する。
チャネルドゴールドフィンガー が属するゴールドフィンガーコレクションは、その精神への正面からのオマージュです。
縦に走るチャネルラインは、ミッドセンチュリー期の建築インテリアに登場したモチーフ。
しかしここで使われているのは、当時の技術より密度の高いクッション素材と、現代の加工精度を持つブラスフレームです。
過去を再現しているのではなく、過去から着想を得ながら、現在的なものづくりを行っています。
3. 数字で見る、このチェア
| 項目 | 仕様 |
| 仕様 | 詳細
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| 全体サイズ | 幅約54.6cm × 奥行き約72.4cm × 高さ約93.3cm
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| 座面奥行き | 約49.5cm
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| 座面高さ | 約48.9cm
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| フレーム素材 | ポリッシュドブラス
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| 張り地素材 | ヴァレーゼ・パーシモン (89% コットン, 11% ポリエステルのベルベット張地)
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| クッション仕様 | タイトシート&バック
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| お手入れ | ドライクリーニングのみ(水系洗剤使用不可。専門業者への依頼を推奨)
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座面高さ約48.9cmは、標準的なダイニングテーブルとの相性を考慮した設計です。
脚のラインが床から美しく伸びるよう比率が整えられており、空間のなかで「立っている」ように見えます。
4. ダイニングにおいて
ヴァレーゼ・パーシモンベルベットの張り地は、なめらかな光沢と奥行きのある発色が魅力のベルベットファブリック。
光の当たり方によって表情がやわらかく変化し、深みのあるオレンジが空間に華やかなアクセントを添えます。
そのしっとりとした質感が、ポリッシュドブラスの鏡面仕上げと美しいコントラストを生み、互いの存在感を引き立てます。
天然木の天板を持つテーブルと合わせれば、温かみのある色調が空間にやわらかなリズムを生みます。
ブラスの輝きが木の自然な表情を引き立て、木の質感がブラスのシャープさをほどよく和らげます。
また、大理石天板のテーブルと組み合わせると、ベルベットの柔らかな質感が石のクールな表情と対比をなし、より洗練されたダイニングシーンを演出します。
1脚だけでも、2脚並べても、コレクション内のテーブルやラウンジチェアと合わせても、空間に印象的なアクセントをもたらします。
5. ゴールドフィンガーコレクション
チャネルドゴールドフィンガー ダイニングチェアが属するゴールドフィンガーコレクションは、ジョナサン アドラーのなかでも長く支持されてきた定番シリーズです。
ダイニングチェア、ラウンジチェア、テーブルなど、ポリッシュドブラスというフレーム素材を共通軸に複数のアイテムが展開されています。
揃えることで空間の一貫性が生まれますが、1点だけ取り入れても、品良くまとまっているため、空間の個性的なポイントとして成立します。
まとめ
チャネルドゴールドフィンガー ダイニングチェアには定番として備わった魅力と特徴があります。
・ポリッシュドブラスフレームの彫刻的な美しさ
・チャネルドクッションとタイトシートが生む、密度のある座り心地
・89% コットン, 11% ポリエステル、ヴァレーゼ・パーシモンのベルベット張地
・1970年代モダニズムへのオマージュと、現代への翻訳
・ブラスの鏡面と生地の質感が作り出す、素材同士の緊張感
ダイニングは、毎日使う場所です。だからこそ、空間の質を決めるダイニングチェアには、それに応える魅力が備わっているべきなのです。
デザイナープロフィール
ジョナサン・アドラー(Jonathan Adler)
1966年、米国ニュージャージー州ブリッジトン生まれ。陶芸家・インテリアデザイナー・著者。ブラウン大学で記号論・美術史を学んだ後、ロードアイランド・デザイン・スクール(RISD)で陶芸を修める。1993年にバーニーズ・ニューヨークへの陶芸コレクション納品でキャリアをスタート。1998年、ニューヨーク・ソーホーに初の直営店をオープン。現在は世界各地にブランドを展開。「モダン・アメリカン・グラマー」を掲げ、ミッドセンチュリー・モダン、ポップカルチャー、ユーモアを融合させた独自の美学を体現する。パーカー・パーム・スプリングスホテルをはじめ、ホテルや商業施設の内装デザインも手がける。著書3冊、テレビホストとしても活躍するマルチクリエイター。