まるで光る柱のように、静かに空間を照らすFLOS（フロス）「Stylos（スチロス）」。
イタリアデザイン界の巨匠アッキーレ・カスティリオーニが1984年に生み出したこのフロアライトは、シンプルな佇まいに秘められた革新性で、今なお世界中のデザイン愛好家を魅了し続けています。

1. スチロスの特徴｜光と影が創る空間演出
スチロスは高さ約200cmの円柱状のフォルムが際立つフロアライトです。
乳白色の円筒が柔らかな光を拡散し、空間全体をやさしく包み込みます。
上下に配置された2つの光源は独立したフットスイッチで操作可能。上部のみを点灯すれば天井を照らす間接照明に、下部だけなら落ち着いた雰囲気の足元照明に、そして両方を点灯すれば空間全体を均等に明るくします。
部屋のコーナーや壁面に配置することで、光が反射して空間に奥行きが生まれ、視覚的な広がりを演出できます。

--- 2. デザインの背景｜日常からの美を見出す視点
アッキーレ・カスティリオーニは「日常にあるモノ」から着想を得ることで知られています。
彼のデザイン哲学は「日常のモノに新しい命を与えること」。
既存の素材や形に新しい文脈を与え、最小限の要素で最大限の効果を引き出す手法です。スチロスもその思想を体現した作品で、余計な装飾を一切排除し、光そのものが空間の主役になるよう設計されています。
カスティリオーニは「デザインは使う人の視点でモノづくりをすること」と語っており、スチロスはまさに生活者の暮らしに寄り添う照明なのです。

3. 素材とディテール｜計算された機能美
本体には粉体塗装されたスチール製のベースと、押出成形されたアクリル樹脂の円筒ディフューザーが使われています。
ベースはシルバー仕上げで、重量感のある設計により安定性を確保。約9.6kgの質量が転倒を防ぎます。
円筒部分の乳白色のアクリルは光を均一に拡散させ、眩しさを抑えながらも十分な明るさを確保。フットスイッチは電源コード上に配置され、操作性も抜群です。イタリア製ならではの丁寧な仕上げが、長く愛用できる品質を支えています。

--- 4. インテリアコーディネート｜上質な空間づくりのヒント
スチロスはミニマルなデザインのため、どんなインテリアスタイルにも調和します。
モダンな北欧スタイルのリビングに置けば、シンプルな美しさが際立ちます。
コンクリート打ちっぱなしのインダストリアルな空間では、光の柱がアートオブジェのような存在感を放ちます。
また、書斎や寝室のコーナーに配置すれば、読書灯として、あるいは就寝前のリラックスタイムの演出照明として活躍します。
ダイニングの一角に置いて間接照明として使うのもおすすめ。光が壁や天井に反射し、食事の時間を特別なひとときに変えてくれます。