ジョガーリはイタリアを代表する建築家、アンジェロ・マンジャロッティによるデザインで、ガラスのオーナメントの組み合わせによって様々なシルエットに変化する「光の彫刻」とも言える名作です。
革新的なデザイン
ジョガーリの仕組みはシンプル、光源を備えた金属のフレームとガラスのオーナメントのみです。
ガラスのオーナメントは全てが同じ大きさで、フレームに自らチェーンのようにぶらさがることでジョガーリ自体のフォルムを形作っています。
軸、アーム、光源、オーナメントという典型的なシャンデリアの形状とは、全く異なる新しいデザインです。
ムラーノガラスのオーナメント
ジョガーリ自体のフォルムと、光を透過して拡散する役割をオーナメントが全て担う為、ガラスのオーナメントはジョガーリの最も重要なキーとなるパーツです。
ヴィストージ社は創業からハンドメイドによるムラーノガラスにこだわり、熟練の職人がひとつひとつハンドメイドで制作しています。
全て同じ大きさですが、手作りの為全く同じオーナメントはひとつもありません。
これらのオーナメントが鎖のように連続することで独特のきらめきが生まれるのです。
自由に形を変えられる
一見壊れやすいイメージのガラスを連続してぶら下げるという大胆な構造は、素材を深く研究しそれを活かしたデザインをコンセプトにするアンジェロ・マンジャロッティらしいデザインです。
オーナメントを支えるフレームやワイヤーなど無駄が一切無いため、キャンディのように瑞々しい透明感を持った美しいオーナメントが活きてきます。
さらにオーナメントは数や位置などを自分で好きなようにアレンジすることで、設置後でも形を変えて楽しむことができます。
60年代から現在まで第一線で輝き続けている理由
ハンドメイドだからこそ、オーナメントの大きさを揃え、制作工程を単純化することで、結果的に最大の強みであるガラスオーナメントの品質の良さに結びついています。
サイズが揃うことは破損と隣合わせのガラス素材を安全に輸送するためのパッキングにも繋がります。
使用する個数を調整することで、シャンデリアのサイズバリエーションを持つこともできます。
ジョガーリが名作と呼ばれているのは、ガラスの特性をよく知り、構造をシンプルにすることで、強みを最大限に活かしながら弱点や生産性の課題を克服した工業製品としても革新的な点にも由来しています。
アンジェロ・マンジャロッティ|Angelo Mangiarotti
1921年イタリア・ミラノ生まれ。1948年ミラノ工科大学建築科を卒業後、イリノイ工科大学(シカゴ)で客員教授を務める。1955年イタリアに帰国後、建築、デザイン事務所を設立。建築・工業デザイン・彫刻デザインなど、多岐にわたる創作活動を続けた。
素材の持つ特徴を活かし、シンプルで機能的、かつデザイン性が高く、生産プロセスにも傾注した工業製品を数多く生み出した。