キューブ、球体、三角錐。
20世紀のキュビズムから構成主義まで、幾何学の根源を問い直す作品群が、イタリアの素材技術によって家具へと生まれ変わった。
プリミティブ コレクション|Primitive Collectionは、イタリアのデザインブランド・キーブーと、トリノを拠点とするアーティスト集団・スタジオ・ヌクレオが手がけた本棚とアームチェアのシリーズです。
「幾何学の最も原始的な形態」をテーマに、本来はリミテッドエディションとして制作された芸術作品が、キーブーによってポリエチレン製の工業製品として生まれ変わり、より多くの人の手に届くようになりました。
<目次>
1. プリミティブ コレクションとはどんな家具か
2. デザインの思想:幾何学への解体と問い直し
3. アイテム別仕様:本棚とアームチェアの詳細
4. スタイリングと置き場所の提案
1. プリミティブ コレクションとはどんな家具か
アートが家具になる。スタジオ・ヌクレオとキーブーの接点
イタリアのデザインブランド・キーブーが擁するプリミティブ コレクションは、アートと家具の距離をあえて取り払った試みです。
スタジオ・ヌクレオが当初リミテッドエディションとして制作した本棚は、キーブーによってポリエチレン製のロトモールド(回転成形)工業製品として再製造され、世界中の人が手にできるようになりました。
同じ発想を持つアームチェアとあわせて、インテリアの文脈でアート体験を届けるコレクションとして完成しています。
2. デザインの思想:幾何学への解体と問い直し
「プリミティブ(Primitive)」という言葉には、複数の意味が重なっています。
「原始的な幾何学形態」「コンピューターグラフィックスにおける最小単位の立体」、そして「制約のない、粗削りなもの」。
スタジオ・ヌクレオはこれらの意味を交差させながら、形態を最小の幾何学へと「解体」することを試みました。
直方体の断片が積み重なる本棚は、20世紀のキュビズム、抽象芸術、構成主義、シュプレマティスムを想起させます。
理性的な設計と原初的な造形衝動が同居する、その逆説がこのコレクションの核心です。
アームチェアも同じ言語で語られています。
「基本的な体積の非対称性」を意図的に取り込んだフォルムは、座るという行為そのものを彫刻的な経験へと変えます。
3. アイテム別仕様:本棚とアームチェアの詳細
プリミティブ ブックシェルフ(通常サイズ)
複数の幾何学形体を積み重ねた、キーブーを代表するアイコニックな本棚。
1モジュール単体でも使えますが、2つ目のモジュールを重ねることでより大型の本棚として展開することも可能です。
・素材:リサイクル可能なポリエチレン(ロトモールド成形)
・カラー:ホワイト、ブラック
・製造:イタリア製
プリミティブ ブックシェルフ XS
通常サイズのコンパクト版。より小さなスペースやサイドテーブルとの組み合わせに最適です。
こちらもモジュール追加による拡張が可能です。
・サイズ:H37 × W139 × D34 cm
・素材:リサイクル可能なポリエチレン
・カラー:ホワイト、ブラック
・製造:イタリア製
プリミティブ アームチェア(クヴァドラ張り)
「基本的な体積の非対称性」を追求したアームチェア。
木製フレームにポリウレタンフォームを包み、クヴァドラ社のディヴィナ メランジ生地で仕立てた上質な仕げです。
・サイズ:W100 × D90 × H70 cm
・素材:木材+ポリウレタン、クヴァドラ ディヴィーナ メランジュ張り
・製造:イタリア製
プリミティブ アームチェア(ブークレ張り)
クヴァドラ版と同じ構造で、張り地にブークレ生地を採用したバリエーションです。
ループ状の毛足が柔らかな質感と温かみある表情を生み出します。
・素材:木材+ポリウレタン、ブークレ生地
・製造:イタリア製
4. スタイリングと置き場所の提案
プリミティブ コレクションは、空間に「見せる家具」としての役割を担います。
子ども部屋のナイトランプに
丸テーブル(直径130cm)にタタチェアを6脚合わせると、キーブーらしい色使いの食卓が完成します。
天板をHPLにすればアウトドアにも持ち出せるので、テラスダイニングとしても活用できます。
テーブルとチェアを同系色でまとめるか、あえて異なる色を組み合わせるかで空間のトーンが変わります。
リビングの主役に
ブックシェルフを壁際に置き、アームチェアをその隣に配置すると、まるで小さなアートギャラリーの一角のような空間が生まれます。
ホワイトのブックシェルフとブークレのアームチェアを合わせると、明るくモダンな印象になります。
書斎・ワークスペースに
XSサイズの本棚をデスク横に置くと、彫刻的な存在感を保ちながらコンパクトに収まります。
頻繁に取り出す本や小物の整理にも使いやすいサイズです。
商業施設・オフィスのラウンジに
通常サイズの本棚を複数モジュールで展開すると、パーテーション的な役割を兼ねた圧倒的な存在感を発揮します。
ホテルのロビーやセレクトショップのディスプレイとしても。
まとめ
キーブーのプリミティブ コレクションは、スタジオ・ヌクレオが「幾何学の最も原始的な形態」をテーマに制作した本棚とアームチェアで構成されています。
本棚はリサイクル可能なポリエチレンのロトモールド製で、モジュールの追加拡張に対応(イタリア製)。
アームチェアは木製フレーム+ポリウレタンに、クヴァドラまたはブークレ生地を張った2タイプを展開しています。
リミテッドエディションとして生まれた芸術作品が、工業製品として再解釈されたこのコレクションは、インテリアに彫刻的な知性をもたらします。
展示歴のある美術館・博物館
スタジオ・ヌクレオの「プリミティブ」シリーズは、世界各地の美術館・博物館で展示されてきた実績を持ちます。
・デザイン ミュージアム ゲント(ベルギー、2020年)
・ステデリック ミュージアム(アムステルダム、オランダ、2017年・2020年)
・センター・ジョルジュ・ポンピドゥー(パリ、フランス、2004年)
・カーネギー ミュージアム オブ アート(ピッツバーグ、アメリカ、2004年)
・ウォーカー アート センター(ミネアポリス、アメリカ、2003年)
・トリエンナーレ デザイン ミュージアム(ミラノ、イタリア、2014年)
・マルト・現代美術館(ローヴェレート、イタリア、2013年)
デザイナープロフィール
スタジオ・ヌクレオ|Studio Nucleo
1997年にピエルジョルジョ・ロビーノが設立した、トリノ(イタリア)拠点のアーティスト・デザイナー集団。
現在はロビーノとステファニア・フェルシーニを中心に、約十数名のアーティスト・デザイナー・職人で構成されています。
現代アート、デザイン、建築の交差点で活動し、「時間軸の探求と、過去と未来の比較を通じた自己認識の変容」をテーマに作品を制作。
素材研究への実験的なアプローチで知られており、樹脂(レジン)の分野では約20年にわたる技術の蓄積を持ちます。
ウォールペーパー誌、ドムス誌、アーキテクチュラル・ダイジェスト誌、ブルームバーグ、ウォール・ストリート・ジャーナルなど、国際的なメディアで多数紹介されています。
ベツァレル・アカデミー(エルサレム)、ドムス・アカデミー(ミラノ)、ポリテクニコ・ディ・トリノなど各校の客員教授としても活動。
キーブーとのコラボレーションでは、リミテッドエディション作品を工業製品として再解釈するというユニークなプロセスを経て、プリミティブ コレクションが誕生しました。
「過去の素材と現代の技術を組み合わせ、まだ起きていない歴史への好奇心をつくり出すこと」スタジオ・ヌクレオは自らの姿勢をこう語っています。