17世紀オランダ静物画へのオマージュ。トレイに映る「今」を飾る。
鏡を「キャンバスに描かれた静物画」から「自分を映す道具」へと転換させたプラトーミロワール。
スタジオヨブによるデザインは、中世の銀器が持つ重厚なフォルムを、現代のポリエチレン成型で軽やかに再構築しています。
<目次>
1. 17世紀オランダの銀器をモチーフとした「見立て」の美学
2. 樹脂成型がもたらす「量感」とミニマリズムの融合
3. メタルフィニッシュ:光を反射する「液体のような」質感
4. デザイナー:スタジオヨブによる概念的デザイン
1. 17世紀オランダの銀器をモチーフとした「見立て」の美学
本製品は、中世から17世紀オランダの静物画(バニタス)に描かれるような銀製のサービングトレイをモチーフとしています。
かつて富の象徴であった銀器の「縁(ふち)が立ち上がった独特の形状」を抽出し、それを鏡として壁に掛けるという行為自体がデザインの核です。
装飾を削ぎ落とすことで、トレイという「型」そのものが持つ美しさを強調しています。
素材はリサイクル可能なポリプロピレン製で、室内・屋外どちらにも使える耐久設計。
40 × 49 × H80 cm、シート高46 cmというサイズは、多くのダイニングテーブルに合わせやすいスタンダードな寸法です。
2. 樹脂成型がもたらす「量感」とミニマリズムの融合
フレームには、キーブーの基幹技術であるポリエチレンの一体成型が採用されています。
金属では表現が難しい、厚みのある「ぽってりとした」有機的なボリューム感が、このミラーに現代的な軽やかさを与えます。
レリーフなどの加飾を一切排した滑らかな表面は、周囲の光を緩やかに捉え、空間に馴染みます。
3. メタルフィニッシュ:光を反射する「液体のような」質感
特に「メタルフィニッシュ」モデルは、真空蒸着技術によって金属のような光沢を実現しています。
フレームの柔らかな曲線に沿って光が連続的に反射し、まるで液体が固まったかのような視覚効果を生みます。
鏡面とフレームが同一の質感で繋がることで、壁面に奥行きのある「輝く空間」を創出します。
4. デザイナー:スタジオヨブによる概念的デザイン
ヨブ・スミーツ率いるスタジオヨブは、歴史的な「型」を抽出し、新しい意味を与える手法を得意とします。
彼らにとってこのミラーは、過去の象徴を現代の文脈で「凍結」させたアートピースです。
単なる鏡という実用品を超え、歴史と現代が交差する概念的な美しさを提示しています。
まとめ
イタリアのキーブー|Qeebooの「プラトーミロワール|Plateau Miroir Mirror」は、伝統的な銀製トレイを鏡として再定義したプロダクトです。
世界的デザイナー、スタジオヨブは、17世紀の静物画に登場するような銀器のフォルムに着目。その縁の立ち上がりや滑らかな曲線を、現代のポリエチレン成型技術で見事に再現しました。
一切の装飾を排したミニマルなデザインは、メタルフィニッシュを施すことで圧倒的な光沢を放ち、壁面に飾るアートピースへと昇華されています。
歴史への深い洞察と現代の素材感が融合した、知的なインテリアの提案です。イタリア製。
デザイナー
スタジオヨブ|Studio Job
ヨブ・スミーツ率いる彼らは、歴史的なアーカイブから「形」や「意味」をサンプリングし、現代のデザインへ落とし込む手法を得意とします。「プラトーミロワール」は、過剰な装飾を削ぎ落とした結果、対象の本質的なフォルムを際立たせることに成功した彼らの代表作の一つです。