SICIS 伊藤若冲コレクションはトーヨーキッチンスタイル代表取締役渡辺孝雄がキュレーターとして、ベネツィアンモザイクアートブランドSICIS とコラボレーションを行った事で誕生しました。
イタリア・ラベンナの工場の熟練したモザイク職人が吟味したモザイクを1枚1枚手割りし製作。
伊藤若冲の繊細な筆の動きを再現するため、通常の手割りモザイクよりも細かく貼り合わせを行っています。
独特な豊かな色彩をベネツィアンモザイクによって表現する事により、艶と透明感を加え、名作に新たな解釈を与えました。 過去と現在、日本とイタリア、絵画とモザイク、インテリアとアート。
様々な境界線を超えた、伊藤若冲へのオマージュです。

南天雄鶏図（なんてんゆうけいず）
南天の鮮烈な赤と、軍鶏の奥行きのある深い黒の対比が美しい作品です。赤い房を実らせた南天の実は、赤の表現にも微妙な調子がつけられ工夫をこらした表現になっています。
また同じく鮮烈な赤で描かれた軍鶏の鶏冠（とさか）には白く小さな斑点を描くことで色調を合わせながらも、質感を分けています。
対する猛々しい軍鶏が身にまとう黒は、羽の光沢感を細かく描写することで、立体的で奥行きのある黒となっています。
軍鶏の鋭い爪や獰猛なくちばしと、燃え上がる炎のような南天によって動植綵絵の中でも一際力強い作品です。

明和二年（1765）
『 動植綵絵 』全三十幅 より 十四
宮内庁 三の丸尚蔵館 所蔵