デザイナー特集「フロント|Front」
2025年07月01日
トーヨーキッチンスタイル オンラインショップ インテリア デザイナー フロント

変幻自在、既成概念は存在しない「フロント|Front」のデザイン。
これを読んだらきっとあなたもフロントのファンになる。

◆Front(フロント)とは



トーヨーキッチンスタイル オンラインショップ インテリア デザイナー フロント

Sofia Lagerkvist(ソフィア・ラーゲルクヴィスト)とAnna Lindgren(アンナ・リンドグレン)、女性二人からなるスウェーデンのデザインスタジオ。2004年創立。フロントのデザインは議論や実験を重ね、素材やプロセスにストーリー性を持たせていることが特徴。特にプロセスの一部を動物や自然、テクノロジーに委ねた作品が際立っている。

家具や照明などに加え、多彩なプロジェクトを幅広く手掛け、作品はMoMAやヴィトラ・デザインミュージアム、ポンピドゥー・センターなどに展示されている。

◆フロントのデザインの真の魅力とは



トーヨーキッチンスタイル オンラインショップ インテリア デザイナー フロント

ここからが本題です。フロントのデザインの真の魅力は、教科書どおりに書いた彼女たちの紹介文を、いともたやすく軽々と超えてくるところにあります。
かなり癖のある変化球でありながら、心や記憶にクサビのように強く残る力強さ、かと思えば実に普遍的で純粋無垢な美しさまで、それはもう変幻自在の魔法のようなデザインの数々です。

◆想像を超えていく創造力



既成概念に囚われない独創的な発想がフロントの最大の武器でしょう。
言葉で説明するよりも象徴的な作品をご覧頂いた方が理解しやすいでしょう。

アニマルシングス|moooi



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実物大の馬や豚、そしてウザギをそれぞれ照明や家具に見立てた作品です。
お部屋に実物大の動物たちが佇むというまるでファンタジーのようなこの愛らしいアイテム達。

ピッグテーブル

ラビットランプ

これらの家具や照明たちにはちゃんとした役割や機能があります。
それは周りを明るく照らしたり、便利なサイドテーブルとしてよりも、これを目の当たりにした人達の記憶に残るという重要かつ難しい役割をこなしています。

人々の記憶に残るにはデザインの力を借りて、こういう選択肢もあります。





スクリブル|moooi Carpets



トーヨーキッチンスタイル オンラインショップ インテリア デザイナー フロント

moooiカーペットは最新のデジタル技術で非常に高精細なデザインをカーペットとして作り出すことができます。
細かい柄や細い線、微妙な色彩のタッチなどを再現できるので、それまで世に出てこなかった緻密で細かいものをカーペットのデザインに取り入れようと思うのが常識ならば、フロントはそこには居ません。

「スクリブル」は子供が色鉛筆で塗り殴ったような荒々しくも偶発的な色の重なりをそのままデザインに取り入れています。
緻密で細かい、とは全く逆の方向、フリーハンドのラフな感じや均一的ではないタッチが最新のデジタル技術で忠実に再現されています。



◆地球が育んだデザインに学ぶ



トーヨーキッチンスタイル オンラインショップ インテリア デザイナー フロント

フロントは北欧スウェーデンのデザインユニットです。
世間がイメージする北欧デザインとは正反対と言ってもいい切り口を武器にしています。
しかし、北欧らしい一面があるとすれば、豊かな自然を積極的にデザインに取り入れている点です。
自然や動物モチーフも多く、奇抜なアイデアのなかに見る普遍的な美しさが、世界中の人々の心を掴んで離さない理由なのかもしれません。

スターフォールライト|moooi





流れ星が降り注ぐ満点の星空を自分のものにできたら、という全人類の望みを作品にしたのがこの照明です。
この照明はその前に手掛けたロンドン科学博物館の大規模な常設インスタレーションがバックボーンになっています。
夜空に煌めく星達は遠くの星もあれば、近くの星もあります。それらが夜空に散りばめられる事で大小や強弱がついて美しい瞬きとして輝いています。
スターフォールライトはそれを自宅で好きな時間に再現できるようにデザインされています。



ウォーキングオンクラウズ|moooi Carpets



トーヨーキッチンスタイル オンラインショップ インテリア デザイナー フロント

一見すると「雲のカーペット」。誰でもきれいな夕焼けや美しい朝焼けのブルーのグラデーションを見れば、この瞬間を留めるためにシャッターを切りたくなるでしょう。しかしフロントはその上を超えてきます。

これまでの何世紀にも及ぶ芸術の歴史の中で、幾多折々の雲が名画を彩ってきました。この「ウォーキングオンクラウズ」はそれらの伝説的な雲たちのコラージュ作品です。
どこを切り取っても名画の雲、予備知識が無くても純粋に美しい、その裏側のストーリーを聞けば更に興味が湧き上がる作品です。



◆動きをデザインに取り入れる



止めどなく動いていることや変化をデザインに取り入れるのもフロントの得意とするところです。
美しいこの瞬間を切り取りたい、でも動いているからこその美しさ、そういう狭間での葛藤がデザインに取り入れられているのかもしれません。

サーペンタインライト|moooi


サーペンタインカーペット|moooi Carpets



トーヨーキッチンスタイル オンラインショップ インテリア デザイナー フロント

不織布でできた輪を八の字で立体的につなぐことで、終わりのない螺旋を描いたペンダントライトです。
空間で空気の流れを受けて緩やかに回転し、輪郭が描いたラインが無限に巡っていく様を表現しています。

一緒にデザインされた「サーペンタインカーペット」は、2次元のグラフィックがまるで立体的な3次元に見える不思議なデザインです。



ブローアウェイベース|moooi

フロントページ|Kartell



ブローアウェイベース|moooi

フロントページ|Kartell



どちらも動きを閉じ込めたアイテムです。
「ブローアウェイベース」はオランダの伝統品である陶器ロイヤルデルフトが突風で吹き飛び歪んでいく様を膨大な回数のシュミレーションによって完成させたフラワーベース。
崩れゆく様は偶発的かと思いきや緻密な計算で成り立っています。

「フロントページ」はマガジンラックで、雑誌のページが風でふわりとめくれる様がマガジンラックとしてデザインされています。まるでそれ自体がマガジンラックですよ、と自己主張しているようです。
商品名は自身の名前と表紙のダブルミーニングです。



サーフェイステンションランプ





シャボン玉をモチーフにした照明は探すと色々あるものの、本物のシャボン玉を照明のシェイドにしてしまったのが「サーフェイステンションランプ」です。
LED光源の50,000時間の寿命の間に、一度も形をとどめることなく300万通りのシェードが作られ続ける、と説明が添えられています。

こんな詩的な傑作ですが、残念ながらロンドンデザインウィークで発表されたインスタレーションです。

いかがでしたか?

知れば知るほどもっと知りたくなるフロントのデザインの世界。
今後もどんな作品達が世間をあっと驚かせるのか楽しみで仕方ありません。

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