
オランダ発のインテリアブランド「moooi」で展開される照明作品のうち、唯一の日本人デザイナーである 三宅 有洋氏が手がけた《コッペリア》が神戸のフレンチレストラン「onomatope(オノマトペ)」に採用されました。
今回はオノマトペの採用例を通して、コッペリアの魅力を紐解いていきます。
■今回採用いただいたアイテム
<目次>
1. 空間に溶け込みながらも存在を放つ ― シャンデリアの新たな形
2. moooi唯一の日本人デザイナー、三宅 有洋氏
3. オノマトペ ─ 感覚を豊かに描くフレンチレストラン
4. コッペリア採用シーンのご紹介
5. まとめ
1. 空間に溶け込みながらも存在を放つ ― シャンデリアの新たな形
「コッペリア」という名前は、バレエ作品《コッペリア》に由来します。
バレリーナの軽やかな動きや舞い上がるチュチュのような軌跡を、照明という形で表現。
空間の中にやさしく「浮かぶ」ような佇まいが、このデザインの特徴です。
また、LEDという最新技術を用いることで、金属フレーム自体に微弱電流を流し、従来の照明にはなかった“配線の見えない構造”を実現しています。
さらに、先端の灯り部分には蝋燭の意匠を取り入れ、伝統的なシャンデリアの記憶と現代の技術を融合させた一灯です。
2. moooi唯一の日本人デザイナー、三宅 有洋氏

三宅氏とmoooiの出会いは、2009年のミラノ・サローネにまで遡ります。
まだ知名度がさほど高くなかった彼に対して、ブランド創設者であるマルセル・ワンダース氏が声をかけたことがきっかけでした。
moooiは多様な視点を持つ若手デザイナーを集め、その才能を独自の世界観へと昇華させる場としても知られています。
そして「コッペリア」も、三宅氏の発想とmoooiの美意識が出会い、共鳴することで誕生しました。

三宅氏はデザインを「パスタのアルデンテ」に例えています。
茹でたての状態ではなく、食卓に運ばれたときに最も味わい深くなる茹で具合のように、「デザインも空間に配置され、灯りがともった瞬間に完成する」と語っています。
3. オノマトペ ─ 感覚を豊かに描くフレンチレストラン
神戸・旧居留地に位置する「神戸旧居留地91番館」1階に、フレンチレストラン onomatope がオープンしました。
この場所は70年以上にわたって、地域の経済界の交流拠点として親しまれてきた建物です。
レストランでは、焼ける音や煮える音、柔らかさや重さなど、目には見えない「感覚」を“オノマトペ”として捉え直し、料理と空間の中で豊かに表現。
かつて神戸にあったミシュラン星付きレストランの系譜を継ぎ、新たなグランメゾンとしての魅力を醸し出しています。

天井の高い開放的な空間にキャンドルのような灯りを纏った「コッペリア」が静かに佇み、料理とひとつながりになりながら、しっとりと場の空気を照らしています。
《onomatope》
所在地 兵庫県神戸市中央区江戸町91 神戸旧居留地91番館 1F
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4. コッペリア採用シーンのご紹介
カジャデザイン那須リゾートハウス
天井が高く、開放感のある空間に設置された実例。ブラックフレームの「コッペリア」が背景にとけこみつつ、軽やかな浮遊感を演出。広がる眺望を邪魔せず、静かな余韻を生み出しています。
小川工務店インタビュー邸
リビング・ダイニングに採用されたケース。視線の抜けを確保しつつ、柔らかに空間を包む光。
壁にかけられたアートやオブジェを妨げず、自然と溶け込む「抜け感」こそがこの照明の魅力のひとつです。
それぞれの空間で、ブラック/クロームといった仕上げのバリエーションも選択可能です。
5. まとめ
クラシカルな趣と最先端LED技術が融合することで、「シャンデリア」という装飾照明の概念を刷新した「コッペリア」。
moooiの照明コレクションに共通するのは、印象的でありながらもインテリアに溶け込む——そんなデザイン哲学です。
ぜひ、このような一灯を通じて、「自分だけのお気に入り」の光を見つけてみてください。